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落とした?その2 [フィクション]

続編です。前編は こちら から。
 
 ※ フィクションです。
 
「早速ですが パーティ―ションの向こうで 簡単な手術(オペ)を。」
 
さして驚きもせず それに従いました。
ジャケットの下は Tシャツで そのままで 簡易なベッドに
腹ばいになりました。
女性医師は 中国語で指示してきますが 
パーティ―ションの向こうから 男性が通訳をしてくれました。
 
軽い麻酔の後 首のやや下に チクリとした感触があり
オペは終わりました。
ベッドに 仰向けになるように言われて
身体の位置を直す間に 女性医師は部屋から出ていきました。
 
通訳をしてくれた男性と 若い女性がベッドサイトに座りました。
男性 「こちらの女性は 名前は言えませんが サニーさんの
    遠い親戚になります。」
肌は白く 一般的な中國人には見えない、
国籍がわからない女性は 
自分が紹介されたことが分かったのか 軽くうなずきました。
血縁関係にあると 言われても 
似ているのはウエーヴのある髪の毛くらい?
色はもちろん違う。 
 
サニー「私が 追跡対象になったのですか?」
男性 「ご存知かもしれませんが 今までは 従姉のKさんが対象でした。
   彼女が 追跡対象外になって 
   次があなたです。
   全員を追跡対象にするわけにはいかないのです。」
 
 
サニー「母が対象になったことはあるのですか?」 
男性 「監視という意味なら。
    そして 非常に残念なことに 手術を受けられてしまって。」
サニー 「? あ、眼の?」
男性 「 まさかの摘出手術でした。私どもの手配は間に合いませんでした。」
サニー 「病気だったと聞きましたが
     あれは 田舎では目立ちすぎたのでしょうか?」
男性 「日本ではあまり見かけませんから。
   今のようにカラーコンタクトレンズもないですし。」 
サニー「私は普通のコンタクトレンズです。」
男性 「目立たない色でよかったですね。」
サニー「母のは 目立つ色だったということですか?」
男性「昔のことなので難しかったのですが 片方だけが
   グレーに近いブルーだったようです。」
サニー「この方の目の色は濃いグレーですね。」 
 
男性「この人も 片方が カラコンです。濃い色に合わせた方が無難ですから。 」
 
サニー「Kさん(従兄妹)はなぜ 対象外に?」
男性「子宮摘出手術を受けられました。
   ほか従姉さんたちは 遺伝子レベルで
    可能性が低いことがわかっています。」
 
サニー「将来、私の子供に遺伝する可能性が強いのですか?」
 
男性「なんとも言えません。弱くなっていくのが普通です。 
   突然 表面化することもありえます。」
サニー「もう 旅行に 戻れますか? 」
男性「オペは 注射のようなものですけれど 化膿するといけないので
   抗生剤のカプセルを ここで 服用してください。
   水を今、持ってきます。」 
 
遠縁にあたるという若い女性は握手とハグをして 部屋からでていきました。 
 
薬を飲んでから 数分は部屋から出られませんでした。 
部屋の外に出たときには ドアの外に誰もいませんでした。 
ガードされているのは 彼女のほうなのでした。 
 
1泊分の荷物とパスポートを税関で受け取って
待っていたガイドさんと一緒に ホテルに直行しました。 
市内観光に行っている友人たちが帰ってきたのは夕方でした。
友人 「心配したよ?大丈夫だった?」
サニー「韓国と台湾に行ったばかりで 香港から中国に入国で
   何か 運んでいるって 疑われたみたい。あほらしw」 
友人「観光できなかったね。車内観光ばっかりだったよ。」
サニー「明日 ちょっとくらいは観られるかもね。」
友人「ここって 豪華なホテルじゃない よねぇ。」
サニー「豪華なのはツアー内容? こういう観光は珍しいもんね」
友人「そうそう 町の中に 意外にヨーロッパ系みたいな人が多くって
   なんかロシア系?と思ったら
   タタール族って言う少数民族なんだって
   カッコイイ人が多かったよ。」
サニー「それは見たいな。」
友人 「やだぁ サニーってば」 
 
翌日は空港に向かいがてらショッピングと小さな博物館観光。
マイクロバスが駐車している近くにいた、黒塗りのベンツに
前日の男性が乗っていたような気がしたけど
見間違いかもしれない。
 
空港に戻ってきて 小さな飛行機に乗り
乾いた大地を見やった時 思い出していた。 
 
あの若い女性は 男性が薬用の水を取りに行った際に
ハグをしてきて 小さな声で 2度繰り返した。
 
「Myname is Anastasia 
         Please don't forget me 」
 
わざわざつけた名前? あの時は パニックしてしまったけれど
わりと多い、ありふれた名前なので 逆にいいのかもしれない。
木の葉を隠すには森の中  っていうからね。
少しなまりがある英語だったけれど 何とか聞き取れたのだった。
英語は苦手だ。 
 
ウイグルの地に 隠れている?私の血縁だというアナスタシア
従姉のKさんの小さい頃のモノクロ写真によく似ていた。
そして 私はそのKさんに似ているって 言われる・・・。
 
この血筋(DNA)は どんどん薄まっていくはずである。
 
祖父(母方 婿)は 大陸で産まれたと聞く。 
曾祖父 曾祖母の情報はすでに 手に入れるのが難しい。 
 
実母の血筋(DNA)以外に 私にはもう一つ 秘密がある。
 
実父は すでに亡くなっているのだが
7人兄弟で 父だけは誰にも似ていない。
父だけが 子供の時に 数年に一度ほど 上京するという 習慣が
あったそうである。
父の誕生日は 12月23日 。
 
何世代もさかのぼれても 
双子の記録がいっさいないのは あの血筋であるから、か?
 
 
 
なんちゃってね。  
 
OクンもAちゃんも 私にはあまり似てなくて 
そのDNAは たぶん薄まっていくばかりなのだと思う。
 
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ゆうのすけ

前記事のしょうゆサイダー。。。
製造している工場は知っていますが 売っている商品を見たことないんですよね。
県内で売ってるのかな?
ヤマサは銚子だから だれか知り合いで行く人いたら探してもらおうかな!(自分では滅多に行かない。。。)
それともWEBとか アンテナショップ限定とか。。。高速のP.A.にあるかも。幕張で探してみよう!^^見つけたら一本くらい試してみようかな!

なんだか怖ぃ話。^^;
OくんとAちゃん本当の事を知ってしまったら・・・。(ひゃ~っ。/爆 ^^;.。o○.。o○)
by ゆうのすけ (2017-01-14 01:23) 

デルフィー

遺伝子の不思議ですね~
by デルフィー (2017-01-14 07:42) 

サンダーソニア

風花が舞ったようです。
by サンダーソニア (2017-01-14 12:37) 

hana2017

理解できたのは・・・アナスタシアだけ^^
その3へと続きは?
by hana2017 (2017-01-14 13:10) 

とまと

お父さん似、お母さん似と、それぞれありますね~
by とまと (2017-01-14 15:37) 

サンダーソニア

その3はありません。
by サンダーソニア (2017-01-14 16:44) 

SORI

サンダーソニアさん おはようございます。
ミステリアスな物語に、ついついはまり込んでしまいました。
素敵なフィクションを書かれていたのですね。
by SORI (2017-01-15 06:19) 

とし@黒猫

コメントありがとうございます。
「若作り」というのをやっています。
実年齢よりも、メチャメチャ若く見られます。
子どもの年齢で比較しますと、サニーさんよりは、年齢が上かと思います。
by とし@黒猫 (2017-01-16 00:36) 

pandan

私は父親似です〜
by pandan (2017-01-16 05:42) 

DEBDYLAN

遅ればせながら・・・
旧年中はありがとうございましたm(__)m
今年も宜しくお願いしますm(__)m
近所で見かけたら声かけてね^^。

by DEBDYLAN (2017-01-16 23:57) 

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